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コラム


NPO法人前橋在宅ケアネットワークの会
定例総会での理事長 退任のことば

十七年間の活動を振り返って

 ことし五月十九日の総会で本会は新たな理事長に中田裕一先生を迎えました。有能な若い世代に無事バトンタッチでき、ほっと安堵すると同時に心から嬉しく思います。退任にあたり少し長くなりますが、私が本会から得たことを書いてみたいと思います。
私が本会の代表となりましたのは一九九五年二月のことでした。今は亡き後藤忠夫先生のよびかけで、故藤沢慧先生、現在も活躍中の富沢隆先生と私とで在宅ケア研究会の発足を相談し、その第一回目の集りで私が会長ということになりました。当時はまだ介護保険制度もなく、わが国は世界に例のない急激な速度で高齢化を迎える。対策が急がれる・・・。と声高に叫ばれた頃でした。国の政策でも在宅ケアは住民参加型の地域福祉で担うとの考え方も示され、民生委員や地域のボランティの方々も活発でした。当時の本会は例会で各職種ごとに困っていることを出し合い、それぞれの現場で会員が協力しあう「ささえあい」の事例が次第に増え、ネットワークのもつ効果の素晴らしさに私は感動を覚えたものです。
一七年間、数多くの貴重で豊かな経験をさせて貰いまいたが、大きく分けて四つの時期があったと思います。

■地域福祉活動型の第一期
第一期は一九九五〜二〇〇〇年で地域福祉型活動の時期です。市長(当時は萩原弥惣次氏)のご好意で事務局が市のボランティアセンター内(当時は緑ヶ丘町)に入居することできました。市のボランティア協議会と同居となった縁もあり協力体制ができ、市内十八地区に細かく医師と主婦ボランティアのリーダーらとの連携体制をつくりました。これを契機に東、上小出などの地区では公民館で勉強会やお茶のみ会を継続的に開くなど地区活動が芽生えました。また介護保険の導入に際して市内全域で市主催の説明会が開かれましたが、この時、この体制の各地区の医師が講師を務めました。これが全地区で実施できたことは忘れられない思い出です。

■介護保険がスタート 第二期
第二期は、介護保険が登場した二〇〇〇〜二〇〇六年頃です。介護保険は在宅ケアの担い手の中心を市民ボランティアから介護事業者へと劇的に変えました。会員に若い介護事業者が増え、二〇〇〇年二月、本会はNPO法人となりました。翌二〇〇一年、会内のケアマネジャー数名が事務所で居宅介護支援事業を開業しました。
この時期にホームヘルパー養成講座も三回開催しました。仲間を増やそうとフリーマーケットも行いました。介護保険の草創期にふさわしい積極的で果敢な取り組みでしたが、残念ながらこれらの事業、イベントは長続きしませんでした。介護者の若者の離職率の高さはこの頃から顕著で、この解決なしに在宅ケアの充実は難しいと思います。

■いきいき館構想を追究 第三期
第三期は、「いきいき館」構想に関する二〇〇四〜二〇〇八年の時期です。「いきいき館」とは私が考えた高齢者の共同住宅で、利用者の自宅からそう遠くなく通うことができ、病状悪化があれば短期入所、宿泊もできるやや大きめの集合住宅で、商店街の空き施設などを活用し保健師を常駐させたらどうか、との構想を市の幹部に話したところ、是非市の街づくり作文コンペに出してほしい・・・と要請され応募し、入賞しました。これをもとに市から大規模な「いきいき館」実施の打診があり、本会としても設立準備会をつくり図面や資金計画まで検討しましたが、莫大な資金調達はNPO法人では限界があり計画は中止となりました。この構想は現在の小規模多機能型居宅介護です。

■いきいきリハビリ会の第四期
第四期は、「いきいきリハビリ会」の二〇〇八〜二〇一二年の期間です。脳梗塞の後遺症などで麻痺や障害をもつ有志が集まり自主的にリハビリの機会をもち、情報発信もしてゆこうと始められた会ですが、四年間にわたり九二回のリハビリ会が行われました。今年三月で閉会となり残念でなりません。会として具体的な事業をもたない本会にとって誠に貴重な活動でした。またの機会を待ちたいと思います。運営にあたられた関係者の努力に敬意を表します。ご苦労さまでした。

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この一七年間の活動を通じて私はふたつの信念をもつことができたと思っています。
そのひとつは「フレンドシップは社会を救う」という信念です。本会は二〇〇一年二月、前橋市長(萩原氏)を招き、市民ボランティアとロータリークラブの方々に声をかけ、「フレンドシップは社会を救う」をテーマにシンポジウムを開きました。介護保険導入の翌年で、その周知をはかる狙いもありましたが、先行き不透明で寄る辺ない不安な社会に、語り合える友人こそかけがえのないものだとの私の問題提起が登壇者によって巧みに語られ、たいへん印象深い会でした。この記録が在宅ケアネットワークの会のHPに残されています。当時の貴重な資料です。ご一読下さい。
http://www.npo-sasaeai.net/enkaku/img/sympo01.2.22.pdf

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もうひとつは高齢者の健康管理への信念です。私は医院での外来診療に加え、在宅患者への訪問診療を重視する診療体制をとっています。訪問診療は衣食住、人間関係にわたる患者の生活全体が把め、病状と介護関係が正確に把握できます。在宅医療の決め手は医師と患者、ケアスタッフの信頼関係です。多くの場合、医療はそれほど重要ではなく、大切なのは食事、運動、心の平穏でありフレンドシップなのです。六〇兆個の細胞からなるヒトの生体は、毎日の食事で細胞に栄養を送り続ける必要があります。適度な運動と家族、介護者との人間関係の中で高齢者の健康は守られ、これをコーディネートするのが主治医です。私は本会の皆さんとの現場での連携の中で質の高い在宅ケアを学び、経験し、それを信念とすることができたと思います。
忘れられない患者さんのひとりに宮永マスさんがいます。彼女は遺産の全てを本会に寄付された方ですが、私とは患者と主治医の関係で三〇年来のお付き合いでした。時には友人、時には親子のような信頼関係でした。九四歳の最後の看取りは病院でしたが、ケアマネジャー、ホームヘルパー、ボランティア、訪問看護師、行政書士、二四時間カバーする家政婦さんな職種が力を併せて在宅での末期を支えました。こうした貴重な経験を今後は次世代に繋げてゆきたいと考えています。

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最後になりますが、私、斎藤は今後は一理事として本会の活動に参加して参る所存です。「生涯現役」で新理事長に協力しつつ「高齢者の住みよいまちづくり」と「在宅ケアの充実」を今後も目指して参ります。皆様のこれまでのご支援とご協力に心より御礼申し上げ退任の挨拶と致します。有難うございました。

    平成24年6月
前橋在宅ケアネットワークの会機関紙「ささえあい」68号



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